野花南周堤墓群

芦別市野花南周堤墓群は、空知川左岸の標高119ｍの河岸段丘上に立地します。遺跡は1953年、地元の郷土史研究家によって発見され、1954年には研究者を招いて発掘調査を行いましたが、特別な出土物はありませんでした。その後、遺跡のある土地は芦別市に寄贈され、地元の芦別市郷土史研究会により解説板、保護柵が設置され、遊歩道も整備されるなど遺跡の保存・保護が積極的に進められてきました。

本遺跡は2000年、道中央部に数少ない周堤墓群であること、遺跡が良く保存されていることなどにより、北海道指定史跡になりました。

野花南周堤墓群は2基の周堤墓からなり、大きい1号の外径が23.4ｍ、内径が16.7ｍ、盛土の高さは外側からみると32㎝、内側からみると約50㎝です。円形に土を盛り、平坦な内部に複数の墓穴を設けています。地表面に河原石を敷詰め、標識となる立石を設けたと考えられます。2号は耕作によって盛土が失われていますが、推定外径11.4ｍほどで、内径や高さは不明です。

1954年の発掘時には遺物は出土しませんでしたが、付近から縄文時代後期末、晩期初頭の土器片が採集されており、本周堤墓群もその時代と考えられます。